国際アロマセラピー科学研究所が法人化されました

1.ごあいさつ
一般社団法人 国際アロマセラピー科学研究所は、医療関連法規の遵守を基本として、メディカルアロマセラピーの健全な普及と科学的解釈をすすめる研究所です。
アロマセラピストが安心して精油を使い施術を行うために、伝統的利用法や慣習だけでなく、薬理作用や副作用も含めた作用の科学的な説明が必要とされています。
世界中で活躍されているアロマセラピストのみなさんは、1万人と推定されますが、その地位向上のためには、科学的な説明が不可欠なのです。
当研究所のメンバーに参加しますと、会員向けの講習会、研究会参加することができます。また、一定の基準を満たした方はISAメディカルアロマセラピストとして認定が得られます。私たちは資格制度の運営を通じて、アロマセラピストの地位向上を...目指します。
色々な団体でアロマセラストの資格を取得されている方も多いと思いますが、その資格を活かして参加することができ、門戸は大きく開かれています。

次のトピックはアロマテラピーや自然療法のいわば「常識」です。あなたの見解はいかがでしょう?

①20代後半の女性が、生理不順であると訴えている。自然療法家のAさんはその女性に豆乳を毎日飲むようにすすめた。豆乳には女性ホルモン様物質である大豆イソフラボンが多く含まれるので、女性ホルモンの不足を補うと説明した。

②初老の女性が膝の痛みを訴えていました。アロマセラピストのBさんはローズマリーの施術をおこない。それに加えて膝のクッション性を回復するためにグルコサミンの常用が有効であると伝えました。

これらは、ほとんどが間違いかもしれません。「間違いだ」と言われたあなたは背筋がぞっとしたかもしれません。なぜ、どうして?あれだけテレビCMで繰り返し放映されているのに、と思われた方もいらっしゃると思います。アロマセラピーや自然療法の科学的検討が必要であることを痛感するような事例です。

実は、アロマセラピーや自然療法では、常識のように言われていることの大部分が科学的にはわかっていないか、むしろその説明を科学が疑問視する事例は多いのです。
アロマセラピーの書物の多くは、他の書物からの孫引きが行われていたり、商品のメーカーが発信した情報を鵜呑みにしたりするところからこのような誤解や間違いが始まっていると思われます。

私たちは、アロマセラピーの効果について謙虚であるべきでしょう

アロマセラピーの効果について、我々は次のような分類から始めます。

①本当に効果があり、かつ科学的にも説明が可能 
②本当に効果があるが、科学的に説明がついていない
③効果があると言われてきたが実は効果がなく、科学的にも疑問視または否定されている
④効果そのものがよくわからないか、あいまいである

このように、整理をして、アロマセラピーをより明確な説明のきく科学として取り組もうというわけです。現在のアロマセラピーはほとんどが②のカテゴリであると思われます。
ここで誤解されないようにお願いしたいのが、私たちは②のカテゴリを否定しているわけではないということです。②を検討し、多くを①のカテゴリに入れていきたいということです。

科学的にアロマセラピーをするということはどういうことでしょうか?
開業医のお医者様がよく発表される手法に、症例研究というのがあります。症例研究の多くは、最初、とりあえず効きそうなもの、すでに書物などで伝統的に効果があるといわれているものを試してみるというところから始まります。
その結果、5名ほどの患者さんに試したケースのうち3名ほどに効果らしきものがみつかると、「伝統的に言われていたことが実証された」と大喜びするわけです。
しかしながら、これは効果を科学的に証明したことになりません。なぜなら、5名とか10名では偶然とか、気分とかが影響したという推論から抜け切れず、統計学的な有為性をもっていないからです。また、その実験は無作為に(意図的ではなく)行われるという前提も必要です。統計学的な証明と同時に、もうひとつ重要なものがあります。

それは、メカニズム(作用機序)が説明されることです。私たちの体内では様々な化学反応が起こっています。これを代謝(メタボリズム)とよびます。この体内の代謝のどの反応過程に、精油のどの成分が関与するのか?という説明とその証明が必要なのです。ただ、同じ物質だからというだけでは不十分で、どのように体内で取り入れられ、どのように運搬され、その反応過程が起こっている場所、即ち臓器や細胞にまで届くのかということまで、説明しなければなりません。

このようなことを、ひとつずつ、謙虚にそして真摯にむきあうことで、アロマセラピーの有効性が科学的、あるいは医学的に立証されることになるのです。
我々とともに、アロマセラピーの科学の研究者として参加してくださることを、こころから歓迎いたします。